「最近おなかや背中に違和感がある」「食欲が落ちて体重も減ってきた」など、体の変化から膵臓がんが気になっている方もいるかと思います。
膵臓がんは、がんが小さい段階では症状が出にくく、早期発見が簡単ではないがんの1つです。
国立がん研究センターでは、膵臓がんが進行すると、腹痛、食欲不振、腹部膨満感、黄疸(おうだん)、体重減少、腰や背中の痛みなどが起こると説明しています。また、糖尿病の発症や悪化が膵臓がん発見のきっかけになることもあります。
ただし、これらは膵臓がんだけに現れる症状ではありません。また、膵臓がんがあっても症状が現れないことがあります。
この記事では、膵臓がんについて知っておきたい7つのサインをチェックリスト形式で整理し、症状の特徴や検査方法について分かりやすく解説します。
※本記事のチェックリストは、膵臓がんの有無や発症確率を自己判定するものではありません。

膵臓がんは初期症状が出にくい
膵臓がんについて最初に知っておきたいのは、「初期症状をチェックすれば早期の膵臓がんが分かる」とは限らないことです。
膵臓は胃の後ろ側に位置し、十二指腸、胆管、肝臓などに囲まれています。
膵臓がんの多くは膵管に発生する腺がんです。国立がん研究センターによると、小さいうちは症状が出にくく、早期の発見は簡単ではありません。
そのため、この記事で紹介する7つのサインについても、すべてを「膵臓がんの初期症状」と考えるのは適切ではありません。
膵臓がんが進行する過程で現れることがある体の変化も含めて、「膵臓がんを知るうえで押さえておきたいサイン」としてご紹介します。
膵臓がんの初期症状チェック|見逃しやすい7つのサイン
膵臓がんでみられることがある主な変化は次の7つです。
□ 1.腹部に痛みや違和感がある
□ 2.食欲が低下している
□ 3.おなかが張る感じがある
□ 4.理由が分からない体重減少がある
□ 5.皮膚や白目が黄色くなっている
□ 6.腰や背中に痛みがある
□ 7.糖尿病を新たに発症した・状態が悪化した
国立がん研究センターでも、腹痛、食欲不振、腹部膨満感、黄疸、体重減少、腰や背中の痛みなどが膵臓がんでみられる症状として挙げられています。
ただし、チェックが1つあるから膵臓がん、3つ以上なら膵臓がんの可能性が高い、といった判断はできません。
それぞれについて詳しく見ていきます。
サイン1.腹部に痛みや違和感がある
膵臓がんでみられる症状の1つが腹痛です。
膵臓は胃の後ろ側に位置しているため、みぞおち周辺などに痛みや違和感を感じることがあります。
ただし、腹痛は非常に多くの原因で起こります。
胃炎、胃潰瘍、胆石、腸の不調などでも腹部の痛みは生じるため、
「みぞおちが痛い=膵臓がん」
という判断はできません。
また、膵臓がんは小さい段階では症状自体が現れにくいため、腹痛がないことを理由に膵臓がんを否定することもできません。
サイン2.食欲が低下している
食欲不振も、膵臓がんが進行した際にみられることがある症状です。
例えば、
「以前と比べて食べられる量が減った」
「食事をとりたいと思わなくなった」
「食事を残すことが増えた」
といった変化が考えられます。
ただし、食欲低下は胃腸の不調、疲労、ストレスなど、さまざまな原因で起こります。
食欲の変化だけで、膵臓がんかどうかを判断することはできません。
サイン3.おなかが張る感じがある
腹部膨満感、いわゆる「おなかが張る感じ」も膵臓がんでみられることがあります。
腹部膨満感には、
・おなかが張って苦しい
・食後におなかが重い
・おなかに圧迫感がある
など、さまざまな感じ方があります。
一方で、便秘や食べすぎ、腸内ガスなどでもおなかの張りは起こります。
そのため、腹部膨満感だけを膵臓がん特有の症状として考えることはできません。
サイン4.理由が分からない体重減少がある
膵臓がんでは、進行に伴って体重が減少する場合があります。
例えば、
「ダイエットをしていないのに体重が減ってきた」
「食事量が大きく変わっていないのに痩せてきた」
といった変化です。
膵臓は、食べ物の消化に関係する消化酵素を分泌しています。
膵臓の機能が低下すると食べ物の消化・吸収にも影響する場合があり、さらに食欲低下などが重なることで体重減少につながることがあります。
ただし、体重減少は膵臓がんだけで起こるものではありません。
ほかの疾患や食生活の変化など、さまざまな原因が考えられます。
サイン5.皮膚や白目が黄色くなる
膵臓がんで特徴的な変化の1つとして知られているのが黄疸です。
黄疸とは、皮膚や白目などが黄色くなる状態を指します。
膵臓の頭側に発生したがんなどによって胆管が狭くなったり塞がれたりすると、胆汁が正常に流れにくくなります。
その結果、胆汁に含まれるビリルビンが血液中に増加し、皮膚や白目が黄色くなることがあります。
ただし、黄疸は膵臓がんだけでなく、肝臓や胆道などの病気によっても起こります。
また、黄疸は必ずしも膵臓がんの「初期症状」として現れるわけではありません。
サイン6.腰や背中に痛みがある
膵臓がんでは、腰や背中の痛みがみられることがあります。
膵臓は体の奥深く、胃の後ろ側に位置しているため、膵臓周辺の変化による痛みを背中側に感じる場合があります。
そのため、
「背中が痛い」
「腰のあたりに痛みがある」
といった症状が膵臓がんに関連することがあります。
ただし、腰痛や背中の痛みは、
・筋肉の疲労
・姿勢
・腰椎などの整形外科的な問題
をはじめ、さまざまな原因で起こります。
「背中が痛いから膵臓がん」と判断することはできません。
また、背中や腰の痛みは進行した膵臓がんでみられることもあるため、一律に「初期症状」と表現するのは適切ではありません。
サイン7.糖尿病を新たに発症した・状態が悪化した
膵臓がんとの関係で、特に知っておきたい変化の1つが糖尿病の発症や悪化です。
膵臓には、血糖値を調整するインスリンなどのホルモンを分泌する役割があります。
膵臓がんによって膵臓の働きが影響を受けると、インスリンなどの分泌量が減少することがあります。
その結果、
・糖尿病を新たに発症する
・以前からある糖尿病の状態が変化する
といったことがあり、これが膵臓がん発見のきっかけになる場合があります。
国立がん研究センターも、膵臓がんによって糖尿病が発症したり悪化したりすることがあると説明しています。
ただし、糖尿病になった人の多くが膵臓がんになるという意味ではありません。
糖尿病と膵臓がんには関連がありますが、「糖尿病=膵臓がん」と単純に結びつけないことが大切です。
膵臓がんの初期症状で特に分かりにくいものは?
膵臓がんでは、「これがあれば早期の膵臓がん」と判断できる特徴的な症状があるわけではありません。
例えば、
腹部の違和感
食欲低下
おなかの張り
腰や背中の痛み
などは、日常生活でも経験することがある症状です。
さらに、膵臓がんは小さい段階では症状が出にくいため、自覚症状だけから早期の膵臓がんを見つけることには限界があります。
「症状が軽いから膵臓がんではない」「痛みがないから問題ない」といった判断もできません。
膵臓がんではどこが痛くなる?
膵臓がんで痛みが現れる場合、上腹部やみぞおち付近、腰、背中などに感じることがあります。
特に「膵臓が悪いと背中が痛くなる」と聞いたことがある方もいるかと思います。
膵臓は胃の後ろ側にあるため、膵臓周辺で起こっている変化による痛みを背中側に感じることがあります。
ただし、痛む場所だけから膵臓がんかどうかを判断することはできません。
胃や胆のう、筋肉、脊椎などの問題でも似た場所に痛みが生じることがあります。
膵臓がんで便や尿に変化はある?
膵臓がんによって胆汁の流れが妨げられると、便や尿の色が変化することがあります。
胆汁にはビリルビンという色素が含まれています。
胆管が塞がれて胆汁が腸へ流れにくくなると、
・便の色が白っぽくなる
・尿の色が濃くなる
といった変化がみられる場合があります。
ただし、便や尿の色は食事、水分摂取量、薬などによって変化することもあります。
便や尿の色だけで膵臓がんを判断することはできません。
膵臓がんになりやすい人の特徴は?
膵臓がんの発症には、さまざまな要因が関係しています。
例えば、
・家族に膵臓がんになった人がいる
・糖尿病がある
・慢性膵炎がある
・膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)がある
・膵嚢胞がある
などは、膵臓がんとの関連が知られている要因です。
ただし、これらに当てはまるからといって膵臓がんになると決まっているわけではありません。
リスク要因は「発症するかどうか」を個人単位で予測するものではなく、発症可能性と統計的な関連が認められている要因として考える必要があります。
膵臓がんは健康診断の血液検査で分かる?
一般的な健康診断の血液検査だけで、膵臓がんの有無を確定することはできません。
膵臓がんの検査では、状況に応じて、
・血液検査
・超音波検査
・造影CT検査
・造影MRI検査
・超音波内視鏡検査(EUS)
・ERCP
・病理検査
などが用いられます。
国立がん研究センターによると、症状や危険因子、血液検査、超音波検査などから膵臓がんが疑われる場合には、造影CT、造影MRI、EUSなどの検査が行われます。
診断をより正確に確定するため、可能な限り細胞や組織を採取して病理検査を行います。
腫瘍マーカーだけで膵臓がんは分かる?
膵臓がんでは、
・CA19-9
・CEA
などの腫瘍マーカーが検査に利用される場合があります。
ただし、腫瘍マーカーだけで膵臓がんの有無を確定することはできません。
がんがあっても数値が上昇しないことがあるほか、がん以外の病気でも上昇する場合があります。
そのため、腫瘍マーカーは画像検査などと組み合わせながら判断するための情報の1つです。
膵臓がんを調べる主な画像検査
膵臓がんを詳しく調べる場合、複数の画像検査が使い分けられます。
腹部超音波検査
超音波を使って、膵臓や周辺の臓器を確認する検査です。
体への負担が比較的少ない一方、膵臓は胃や腸の奥側にあるため、体格や消化管内のガスなどによって観察しにくい場合があります。
CT検査
X線を利用して体の断面を画像化します。
膵臓がんが疑われる場合には、造影剤を使用した造影CTが行われることがあります。
MRI・MRCP
MRIは磁気を利用して体内を画像化する検査です。
MRCPでは、胆管や膵管などを詳しく確認できます。
超音波内視鏡検査(EUS)
先端に超音波装置が付いた内視鏡を胃や十二指腸まで挿入し、膵臓を近い位置から観察する検査です。
国立がん研究センターでも、膵臓がんが疑われる場合に行われる検査として、造影CTや造影MRIとともにEUSを挙げています。
膵臓がんに国が推奨するがん検診はある?
現在、日本では、厚生労働省の指針に基づく膵臓がんの集団検診は定められていません。
国立がん研究センターも、膵臓がんについて現在指針として定められている検診はないと説明しています。
胃がん、大腸がん、肺がん、乳がん、子宮頸がんなどとは、この点が異なります。
膵臓がんは小さい段階では症状が出にくいこともあり、早期発見に向けた検査・診断方法について現在も研究が進められています。
尿中マイクロRNAを活用した「bluedrop」
bluedropは、Blue Industries株式会社が提供する、尿中エクソソーム内のマイクロRNAを活用したがんリスク判定キットです。
自宅で尿を採取して返送することで、7種類のがんに関連するリスクを判定します。
※男性5種、女性6種と性差がございます。
公式商品情報でも、尿中のエクソソームからマイクロRNAを抽出し、遺伝子解析から得た結果を用いてがんリスクを判定する仕組みが説明されています。
対象となるがんは7種類
bluedropでは、次の7種類のがんに関連するリスクを判定します。
・膵臓がん
・肝臓がん
・肺がん
・子宮がん
・大腸がん
・乳がん
・前立腺がん
※子宮がんには、子宮頸がんと子宮体がんが含まれます。
今回取り上げている膵臓がんも判定対象に含まれています。

bluedropはがんを診断する検査ではない
bluedropは、がんに関連するリスクを判定する検査です。
高リスクと判定されても、がんがあると確定したわけではありません。低リスクと判定されても、がんがないことを保証するものではありません。
また、医療機関で行われる画像検査や内視鏡検査、病理検査、自治体などのがん検診の代わりになるものではありません。
公式情報でも、bluedropは「リスク指標」を提供するもので、がんの確定診断を目的としたものではないとされています。
検査結果は、自身の健康状態を見直したり、医療機関への相談を検討したりするための参考情報として活用してください。
bluedropの検査の流れ
bluedropの検査は次のような流れで行います。
1.検査キットを受け取る
2.説明書に従って自宅で尿を採取する
3.採取した検体を指定された方法で返送する
4.スマートフォンなどから検査結果を確認する
採血や病院予約を必要とせず、尿を使って検査できることが特徴です。
実際の採尿方法や返送方法については、検査キットに同封された説明書に従ってください。
bluedropでは尿中エクソソーム内のマイクロRNAを解析
マイクロRNAは、細胞内で遺伝子の働きを調整する役割を持つ物質です。
bluedropでは、尿中に存在する細胞外小胞「エクソソーム」に含まれるマイクロRNAを解析します。
検査工程では、
1.検体の状態を確認する
2.エクソソームからマイクロRNAを抽出する
3.マイクロRNAの品質を確認する
4.ライブラリーを調製する
5.次世代シーケンサー(NGS)で解析する
6.研究データと照合してリスクを判定する
という流れで解析が進められます。
得られたデータを蓄積された研究データと照合し、尿サンプルが「健康な人の特徴」と「がん患者の特徴」のどちらに近いかを統計的に解析して、その類似度からがんリスク値を算出します。
検査結果はスマートフォンなどから確認できます。
検体の状態や配送状況などによって結果確認までの期間が異なる可能性があるため、最新の案内や検査キットの説明書を確認してください。
よくある質問
膵臓がんの初期症状は何ですか?
膵臓がんは、小さい段階では症状が出にくいことが特徴です。
進行すると、腹痛、食欲不振、腹部膨満感、黄疸、体重減少、腰や背中の痛みなどがみられることがあります。
膵臓がんの初期症状をチェックリストで判断できますか?
チェックリストだけで膵臓がんの有無を判断することはできません。
膵臓がんは初期には症状が出にくく、紹介した症状も膵臓がん以外の原因で現れることがあります。
膵臓がんに痛みを伴う症状はありますか?
膵臓がんでは、腹部のほか、腰や背中などに痛みを感じることがあります。
ただし、痛みが現れる場所だけから膵臓がんかどうかを判断することはできません。
背中の痛みは膵臓がんの初期症状ですか?
膵臓がんでは腰や背中の痛みが現れる場合があります。
ただし、背中の痛みは進行した段階でもみられる症状であり、一律に「初期症状」と表現するのは適切ではありません。
膵臓がんになると体重は減りますか?
膵臓がんが進行すると、体重減少がみられることがあります。
ただし、体重減少にはさまざまな原因があり、体重が減ったことだけで膵臓がんと判断することはできません。
膵臓がんになると糖尿病になりますか?
膵臓がんによってインスリンなどのホルモン分泌が減少し、糖尿病を新たに発症したり、もともとの糖尿病が悪化したりすることがあります。
糖尿病の発症や悪化が、膵臓がん発見のきっかけになる場合もあります。
膵臓がんは血液検査だけで分かりますか?
一般的な血液検査だけで膵臓がんを確定することはできません。
膵臓がんが疑われる場合には、造影CT、造影MRI、EUSなど複数の検査を組み合わせ、必要に応じて細胞や組織を採取した病理検査が行われます。
膵臓がんに国が推奨するがん検診はありますか?
現在、厚生労働省の指針として定められている膵臓がん検診はありません。
膵臓がんは若い人でもなりますか?
膵臓がんは年齢とともに発症する人が増えますが、若い人にまったく発生しないわけではありません。
年齢だけで膵臓がんの有無を判断することはできません。
bluedropで膵臓がんを調べられますか?
bluedropでは、膵臓がんを含む7種類のがんに関連するリスクを判定します。
ただし、膵臓がんそのものを確定診断する検査ではありません。
まとめ
膵臓がんは、がんが小さい段階では症状が出にくく、早期発見が簡単ではないがんです。
膵臓がんについて知っておきたい主な7つのサインとして、
1.腹部の痛み・違和感
2.食欲低下
3.腹部膨満感
4.体重減少
5.黄疸
6.腰・背中の痛み
7.糖尿病の発症・悪化
が挙げられます。
ただし、これらすべてが「膵臓がんの初期症状」というわけではありません。
進行に伴って現れる症状も含まれているほか、膵臓がん以外の病気や体調変化でも起こることがあります。
反対に、チェックリストに1つも当てはまらないからといって、膵臓がんがないことを証明できるわけでもありません。
膵臓がんを調べる検査には、血液検査、超音波検査、造影CT、造影MRI、EUS、病理検査などがあります。検査ごとに目的や分かることが異なります。
また、bluedropは尿中エクソソーム内のマイクロRNAを活用し、膵臓がんを含む7種類のがんに関連するリスクを判定するがんリスク検査キットです。
がんの確定診断を目的とした検査ではないため、「がんリスクを判定する検査」と「がんそのものを診断する検査」の違いを理解して活用することが大切です。

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