「マイクロRNA検査とはどんな検査?」「尿や血液だけで、どうしてがんのリスクを調べられるの?」と疑問に思っている方もいるかと思います。
マイクロRNA(miRNA)とは、細胞内で遺伝子の働きを調節している小さな分子です。血液や尿、唾液などの体液にも存在し、寝不足や食べ過ぎなどの生活習慣やがんなどの疾患に伴って、その種類や量のパターンが変化することが分かっています。
こうした特徴を利用し、体液中のマイクロRNAを測定・解析して、疾患との関連を調べるのがマイクロRNAを活用した検査です。
がん領域では研究が活発に進められており、国立がん研究センターなどによる大規模研究では、13種類の固形がん9,921例、非がん対照5,643例などの血清マイクロRNAを解析し、がん種を識別する研究成果も報告されています。
ただし、研究で報告された性能が、すべてのマイクロRNA検査や市販されているがんリスク検査キットにそのまま当てはまるわけではありません。
この記事では、マイクロRNAとは何か、マイクロRNAを用いた検査の仕組み、がんとの関係、精度を見るときのポイントについて分かりやすく解説します。

マイクロRNA(miRNA)とは?
マイクロRNA(microRNA:miRNA)は、ヒトの細胞内に存在する約22塩基程度の非常に小さなRNAです。
RNAというと、DNAに保存されている遺伝情報をもとにタンパク質を作るために働く「メッセンジャーRNA(mRNA)」をイメージする方もいるかもしれません。
マイクロRNAは、それ自体がタンパク質の設計図になるわけではありません。
主な役割は、特定のmRNAに作用してタンパク質への翻訳やmRNAの分解などに関与し、遺伝子の働きを調節することです。
つまり、マイクロRNAは細胞の働きを調整する「調節役」のような存在といえます。
国立がん研究センターも、マイクロRNAについて、細胞に存在する22塩基長程度の小さなRNAで、血液や唾液、尿などの体液にも含まれると説明しています。
なぜマイクロRNAからがんのリスクを調べられる?
マイクロRNAががん研究で注目されている理由の1つが、がんなどの疾患によってマイクロRNAの種類や量のパターンが変化することです。
健康な人とがん患者では、体液中に存在するマイクロRNAの構成や量に異なる傾向がみられることがあります。
国立がん研究センターなどの研究では、がん細胞そのものだけではなく、その存在を感知した周辺の細胞などからも、健康な状態とは異なるマイクロRNAが分泌される可能性が示されています。
こうした複数のマイクロRNAを測定し、そのパターンを研究データと比較することで、がんに関連する特徴がどの程度みられるかを解析する研究が進められています。
マイクロRNAは血液だけに存在する?
マイクロRNAは血液だけではなく、さまざまな体液に存在します。
代表的なものとして、
・血液
・尿
・唾液
などがあります。
そのため、マイクロRNAを利用した検査や研究では、血清・血漿だけでなく尿や唾液なども研究対象になっています。
2025年に発表されたリキッドバイオプシーに関するレビューでも、マイクロRNAは疾患診断、特にがん領域のバイオマーカーとして研究されており、検体採取、RNA抽出、処理、検出などさまざまな工程について検討が進められています。
尿中マイクロRNAについても研究があり、国立がん研究センターなどの共同研究では、尿中の細胞外小胞に含まれるマイクロRNAを利用したがん識別技術が報告されています。
エクソソームとマイクロRNAの関係
マイクロRNA検査を理解するときに知っておきたいのが「エクソソーム」です。
エクソソームは、細胞から分泌される非常に小さな細胞外小胞の一種です。
内部には、
・マイクロRNAなどのRNA
・タンパク質
・脂質
など、細胞に由来するさまざまな物質が含まれています。
いわば、細胞から放出される小さな「運搬カプセル」のような存在です。
マイクロRNAはエクソソームなどの細胞外小胞に包まれた状態で体液中に存在することがあります。
エクソソームの内部にあるマイクロRNAは外部環境から保護されるため、体液中でも比較的安定した状態で存在できると考えられています。
こうした特徴から、エクソソーム内のマイクロRNAは、がんなどの状態を調べるためのバイオマーカー候補として研究されています。
マイクロRNA検査の仕組み
マイクロRNAを利用した検査方法は製品や研究によって異なりますが、基本的には次のような考え方で解析します。
1.血液や尿などの検体を採取する
まず、血液や尿などの検体を採取します。
どの検体を使用するかは検査方法によって異なります。
2.マイクロRNAを取り出す
採取した検体から、解析対象となるマイクロRNAを抽出します。
検査によっては、エクソソームなどの細胞外小胞を分離したうえで、その内部にあるマイクロRNAを抽出します。
3.マイクロRNAを測定・解析する
抽出したマイクロRNAについて、
「どの種類のマイクロRNAが、どの程度存在しているのか」
を調べます。
解析方法には、
・マイクロアレイ
・PCR
・次世代シーケンサー(NGS)
などがあります。
使用する技術や解析対象となるマイクロRNAは検査によって異なります。
4.マイクロRNAのパターンを解析する
マイクロRNAは1種類だけを見るのではなく、複数のマイクロRNAを組み合わせて解析する研究が多く行われています。
健康な人とがん患者などから得られた研究データをもとに、マイクロRNAの種類や量のパターンを比較します。
5.疾患との関連性を評価する
解析したマイクロRNAのパターンが、研究データ上のどのような特徴に近いのかを統計的に分析します。
このように、
検体採取
↓
マイクロRNA抽出
↓
測定・解析
↓
研究データとの比較
↓
疾患との関連性を評価
というのが基本的な考え方です。
マイクロRNA検査は「リキッドバイオプシー」の一種
マイクロRNAを利用する検査について調べていると、「リキッドバイオプシー」という言葉を目にすることがあります。
リキッドバイオプシーとは、血液や尿などの体液に含まれる生体由来の情報を解析する技術の総称です。
がん領域では、
・細胞外DNA(cfDNA)
・RNA
・マイクロRNA
・エクソソームなどの細胞外小胞
・血小板中のRNA
など、さまざまな物質が研究されています。
従来の病理検査では、病変から組織を採取して顕微鏡などで調べます。
これに対し、リキッドバイオプシーでは血液や尿などから生体情報を取得できる点が大きな特徴です。
マイクロRNAを利用したリキッドバイオプシーについても、がんの診断やリスク評価などへの活用を目指した研究が世界的に進められています。
マイクロRNA検査の精度はどのくらい?
「マイクロRNA検査の精度は何%?」と気になる方も多いでしょう。
しかし、マイクロRNAを用いた検査全体をまとめて「精度○%」と表現することはできません。
精度は、
・使用する検体
・対象となるがん
・対象となるマイクロRNA
・測定方法
・解析アルゴリズム
・研究対象者
・がんのステージ
・精度評価に使う指標
などによって変わるためです。
さらに、研究段階の診断モデルで得られた結果と、市販されているがんリスク検査キットの性能は分けて考える必要があります。
マイクロRNAを使った大規模ながん研究も行われている
マイクロRNAのがん領域での可能性を示す研究の1つが、国立がん研究センターなどによる大規模研究です。
この研究では、
・13種類の固形がん:9,921例
・非がん対照:5,643例
・各種良性疾患:626例
の血清マイクロRNAプロファイルが解析されました。
13種類の固形がんには、乳がん、大腸がん、肺がん、胃がん、肝細胞がん、膵がん、前立腺がんなどが含まれています。
全体の5分の4のデータで機械学習モデルを学習させ、残りの5分の1でがん種を予測したところ、研究で用いられたモデルでは、全ステージの診断予測精度が0.88、ステージ0~IIでは0.90と報告されました。
この研究は、マイクロRNAを利用したがん識別の可能性を示す重要な研究の1つです。
「研究の精度=市販検査の精度」ではない
マイクロRNA検査について調べる際、特に注意したいポイントです。
研究論文で、
「精度90%」
「AUC 0.95」
「感度97%」
などの数値が報告されていても、その数字がすべてのマイクロRNA検査に当てはまるわけではありません。
研究ごとに、
・血液なのか尿なのか
・どのマイクロRNAを測定したのか
・どのがんを対象にしたのか
・どの解析モデルを使ったのか
・どの集団で検証したのか
などの条件が異なるためです。
2025年のレビューでも、マイクロRNAを利用したリキッドバイオプシーは有望である一方、測定工程や方法論には違いがあり、臨床応用に向けて標準化や検証が課題となっています。
数字だけを比較するのではなく、「どの研究・どの検査で得られた数字なのか」を確認する必要があります。
マイクロRNA検査の精度を見る指標
検査性能について理解するには、「精度」という言葉だけではなく、評価指標について知っておくと便利です。
感度
感度とは、病気がある人のうち、検査で陽性と判定できた人の割合です。
感度が高いほど、病気がある人を見逃しにくい傾向があります。
特異度
特異度とは、病気がない人のうち、検査で陰性と判定できた人の割合です。
特異度が高いほど、病気がない人を正しく陰性と判断しやすくなります。
AUC
AUC(Area Under the Curve)は、検査や診断モデルが病気のある人とない人をどの程度識別できるかを評価する指標です。
一般的に0.5~1.0の範囲で示され、1に近いほど識別性能が高いことを意味します。
ただし、AUCが高いからといって「その確率でがんが当たる」という意味ではありません。
陽性的中率
陽性的中率は、検査で陽性になった人のうち、実際に病気がある人の割合です。
陽性的中率は感度や特異度だけでなく、検査を受ける集団でその病気がどの程度存在するかによっても変わります。
そのため、「感度90%だから、陽性なら90%の確率でがん」という解釈はできません。
16,000検体以上を解析したマイクロRNA研究
マイクロRNAとがんの関係については、日本でも大規模な研究が行われています。
『JNCI Cancer Spectrum』で発表された研究では、13種類の固形がん9,921例、非がん対照5,643例、良性疾患626例の血清マイクロRNAプロファイルが解析されています。
合計すると16,000検体を超える大規模なデータです。
研究では、がん種ごとに血清マイクロRNAの特徴を解析し、機械学習を利用した識別モデルが検討されました。
こうした研究成果は、マイクロRNAをがんのバイオマーカーとして活用する可能性を示しています。
一方、この研究で使用されたのは「血清」です。
尿中エクソソーム内のマイクロRNAを解析する特定の市販製品について、そのまま同じ性能が証明された研究ではありません。
研究結果と個別の製品性能を混同しないことが大切です。
※この研究は血清(血液)を対象としたものであり、尿を用いたbluedropとは検体が異なるため、同じ性能を示すものではありません
マイクロRNA検査のメリット
マイクロRNAを利用した検査には、研究・技術面でいくつかの特徴があります。
血液や尿などの体液を利用できる
マイクロRNAは血液、尿、唾液などに存在するため、体液を利用した検査技術への応用が研究されています。
複数のマイクロRNAを組み合わせて解析できる
1種類の物質だけを見るのではなく、複数のマイクロRNAのパターンから疾患との関連性を解析できます。
複数のがん種を識別する研究が進んでいる
国立がん研究センターなどの研究では、13種類の固形がんについて、血清マイクロRNAからがん種を識別する研究成果が報告されています。
体液を使ったがん研究との相性がよい
マイクロRNAは細胞外小胞などに含まれた状態で体液中にも存在するため、リキッドバイオプシー領域のバイオマーカーとして研究されています。
マイクロRNA検査の注意点
新しい技術だからこそ、特徴だけでなく限界も理解しておく必要があります。
マイクロRNAだけでがんの確定診断はできない
マイクロRNAを利用したがんリスク検査キットで高リスクと判定されても、それだけでがんがあると確定したわけではありません。
反対に、低リスクだからといって、がんがないことが保証されるわけでもありません。
検査によって仕組みが異なる
「マイクロRNA検査」という名称でも、
・血液を使用する
・尿を使用する
・測定するマイクロRNAが異なる
・測定方法が異なる
・解析アルゴリズムが異なる
など、検査ごとに仕組みは異なります。
研究結果をすべての検査に当てはめられない
特定の研究で高いAUCや感度が報告されても、別のマイクロRNA検査が同じ性能を持つとは限りません。
検査を比較するときは、研究対象となった検体や測定方法、対象者、評価指標などを確認することが大切です。
マイクロRNA検査と腫瘍マーカーの違い
マイクロRNA検査と腫瘍マーカー検査は、どちらも体内の物質を分析しますが、調べている対象が異なります。
| 比較項目 | マイクロRNAを利用した検査 | 一般的な腫瘍マーカー検査 |
| 主な測定対象 | マイクロRNA | タンパク質など |
| 検体 | 血液・尿など検査による | 主に血液 |
| 解析方法 | PCR・マイクロアレイ・NGSなど | 免疫測定など |
| 利用方法 | 製品・研究によって異なる | 診断補助・治療効果判定・経過観察など |
| がん確定診断 | 単独ではできない | 単独ではできない |
腫瘍マーカーについても、数値が高いだけでがんと確定するわけではありません。
それぞれの検査の目的と限界を理解して利用することが大切です。
尿中マイクロRNAを活用した「bluedrop」
bluedropは、Blue Industries株式会社が提供する、尿中エクソソーム内のマイクロRNAを活用したがんリスク判定キットです。
自宅で尿を採取して返送することで、7種類のがんに関連するリスクを判定します。
※男性5種、女性6種と性差がございます。
対象となるがんは7種類
bluedropでは、次の7種類のがんに関連するリスクを判定します。
・膵臓がん
・肝臓がん
・肺がん
・子宮がん
・大腸がん
・乳がん
・前立腺がん
※子宮がんには、子宮頸がんと子宮体がんが含まれます。

bluedropはがんを診断する検査ではない
bluedropは、がんに関連するリスクを判定する検査です。
高リスクと判定されても、がんがあると確定したわけではありません。低リスクと判定されても、がんがないことを保証するものではありません。
また、医療機関で行われる画像検査や内視鏡検査、病理検査、自治体などのがん検診の代わりになるものではありません。
検査結果は、自身の健康状態を見直したり、医療機関への相談を検討したりするための参考情報として活用してください。
bluedropの検査の流れ
bluedropの検査は、次のような流れで行います。
1.検査キットを受け取る
2.説明書に従って自宅で尿を採取する
3.採取した検体を指定された方法で返送する
4.スマートフォンなどから検査結果を確認する
実際の採尿方法や返送方法は、検査キットに同封された説明書に従ってください。
bluedropの検査工程
bluedropでは、返送された尿が検査できる状態かを確認したうえで、次の工程へ進みます。
1.検体の状態を確認する
尿の量、保存状態、ラベルなどを確認し、検査に使用できる状態かをチェックします。
2.マイクロRNAを抽出する
尿の中からエクソソームを取り出し、その内部に含まれるマイクロRNAを抽出します。
3.マイクロRNAの品質を確認する
抽出したマイクロRNAの量や状態を確認し、解析できる品質かをチェックします。
4.ライブラリーを調製する
マイクロRNAは、そのままでは解析機器で読み取ることができません。
そのため、ライブラリー調製と呼ばれる工程で、解析できる形に加工します。
5.次世代シーケンサーで解析する
次世代シーケンサー(NGS)を使用し、マイクロRNAの配列を読み取ります。
得られたデータを、あらかじめ特定されているマイクロRNAのリストと照合し、それぞれのマイクロRNAがどの程度存在するかを集計します。
6.研究データと照合してリスクを判定する
得られたデータを、これまでに蓄積された研究データと照合します。
提出された尿サンプルが「健康な人の特徴」と「がん患者の特徴」のどちらに近いかを統計的に分析し、その類似度をがんのリスク値として算出します。
検査結果はスマートフォンで確認できる
bluedropでは、検査結果をスマートフォンから確認できます。
ただし、検体の状態や配送状況などによって、結果確認までの期間が異なる可能性があります。最新の案内や検査キットの説明書を確認してください。
マイクロRNAを利用したがんリスク検査キットを選ぶポイント
マイクロRNAを利用したがんリスク検査キットを比較するときは、「マイクロRNAを使っている」という点だけで判断するのではなく、解析方法や対象がん種などを確認しましょう。
どの体液を解析しているか
血液・尿・唾液など、検査によって使用する検体は異なります。
同じマイクロRNAでも、検体によって含まれるマイクロRNAの種類や状態、解析方法が異なります。
どのような方法で解析しているか
PCR、マイクロアレイ、NGSなど、マイクロRNAを測定する技術にも違いがあります。
どのような技術を利用しているのかを確認してみましょう。
がん種別にリスクが分かるか
複数のがんをまとめて評価する検査と、がん種ごとにリスクを表示する検査があります。
「どのがんについての結果なのか」を確認できるかも比較ポイントです。
研究データと製品性能を分けて確認する
検査サービスの説明に研究論文が掲載されている場合は、
「その研究が製品そのものを評価した研究なのか」
「関連技術について行われた研究なのか」
を分けて確認しましょう。
研究で高い識別性能が示されていても、その数値が製品自体の感度や特異度を意味するとは限りません。
よくある質問
マイクロRNA検査とは何ですか?
マイクロRNAの種類や量などを測定・解析し、疾患との関連性を調べる技術です。
がん領域では、健康な人とがん患者で異なるマイクロRNAのパターンを利用した検査技術の研究が進められています。
マイクロRNAは何をしている物質ですか?
マイクロRNAは約22塩基程度の小さなRNAで、mRNAなどに作用して遺伝子の働きを調節しています。
マイクロRNAはどこにありますか?
細胞内だけでなく、血液、尿、唾液などの体液にも存在します。
エクソソームとは何ですか?
細胞から分泌される小さな細胞外小胞の一種です。
内部にはマイクロRNAなどのRNAやタンパク質などが含まれており、細胞間で情報を運ぶ役割などが研究されています。
マイクロRNA検査の精度は何%ですか?
マイクロRNA検査全体を「精度○%」と表すことはできません。
使用する検体、対象がん、マイクロRNA、測定方法、解析アルゴリズムなどによって性能が異なります。
マイクロRNA検査でがんが分かりますか?
マイクロRNAを利用したがんリスク検査キットだけで、がんの有無を確定診断することはできません。
検査によって目的は異なるため、各サービスの検査内容を確認する必要があります。
マイクロRNA検査と腫瘍マーカーは同じですか?
同じではありません。
一般的な腫瘍マーカーでは主に血液中の特定のタンパク質などを測定しますが、マイクロRNA検査ではRNAを解析します。
尿でもマイクロRNAを調べられますか?
尿にもマイクロRNAは存在します。
尿中の細胞外小胞に含まれるマイクロRNAについても、がんとの関連を調べる研究が行われています。
マイクロRNA検査は痛いですか?
使用する検体によって異なります。
採血を使用する検査では採血が必要ですが、尿を使用する検査では採血を必要としません。
まとめ
マイクロRNA(miRNA)は、約22塩基程度の小さなRNAで、細胞内で遺伝子の働きを調節しています。
血液や尿、唾液などの体液にも存在し、がんなどの疾患に伴ってマイクロRNAの種類や量のパターンが変化することが分かってきました。
この特徴を利用し、マイクロRNAを新しいバイオマーカーとして活用する研究が世界的に進められています。
国立がん研究センターなどによる大規模研究では、13種類の固形がん9,921例、非がん対照5,643例、良性疾患626例の血清マイクロRNAが解析され、マイクロRNAからがん種を識別する可能性が示されています。
一方、「マイクロRNA検査」と一括りにして精度を評価することはできません。
血液なのか尿なのか、どのマイクロRNAを調べるのか、どの測定方法・解析アルゴリズムを使用するのかなどによって検査性能が変わるためです。
研究論文で示された感度・特異度・AUCなどの数値についても、市販されているがんリスク検査キットの性能と同一視しないことが大切です。
bluedropは、尿中エクソソーム内のマイクロRNAを活用し、7種類のがんに関連するリスクを判定するがんリスク検査キットです。
ただし、がんの確定診断を行うものではありません。
マイクロRNA検査について検討するときは、「マイクロRNAを使っているか」だけではなく、使用する検体、解析方法、対象がん種、結果の意味、研究データと製品性能の違いまで確認することがポイントです。

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